2016-09-04 11:49 | カテゴリ:勉強や投資情報
『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』を読みました。



この本は「投資」の本であり、「投機」をする塩漬けマンの考えとは相容れない内容の本です。
しかし投資をする人にとってはバイブルです。
投資をしようと思う人は絶対に読んだ方がいいです。
一方投機をする人に取って全く役に立たないかと言うと、新境地が広がり、多角的に考えるようになれるので、読んで損はないです。
何より、投機家は投資家を食い物にしないといけないので、カモを知るという意味では必読です。

著者のハワード・マークスは800億ドル以上を運用するオークツリー・キャピタル・マネジメント(リーマンショックで最も稼いだ逆張りファンド)の会長兼共同創業者で、相当昔から投資の世界で生きてきており、市場におけるあらゆる事件(ブラックマンデーからLTMC破たんからITバブルからリーマンショックから、ほぼ全て)を経験しており、彼ほど長く相場の世界で生き残り、利益を出し続けている投資家は稀有な存在のようです。

この本は具体的な投資方法等は書いておらず、勝てる投資家としての考え方を説いています。
バフェット「本書は極めて稀に見る、実益がある本である」
だそうですよ。
バフェットは本書を大量購入して、自分の運営するファンドの株主総会で配布したそうです。

注意点は、勝つための具体的な方法(企業の持つファンダメンタルズを評価し、適切な株価を測定する方法等)は全く書いてないです。
この本は素晴らしい本なので、読んだ人は洗脳されて、バリュー投資家を目指すと思います。
でもそのためには、次はファンダメンタルズ分析をする方法を別の本で勉強しないといけなくなります。
しかも、著者も書いているように、「他人と違い尚且つ他人より優れている事」が求められるので、本やネットでファンダメンタルズ分析の勉強をするだけでは、他人と同じ事しか出来ずに本著で示されてるような立派なバリュー投資家にはなれません。
にも拘わらず、本書を読んだだけで、安易にバリュー投資家を目指し、またなれた気分になり、「自分が選んだ株は上がるはずだ。なぜなら割安だから(`・ω・´)キリッ」と間違っているかもしれないのに妄想に取りつかれて損切出来ないダメ投資家になる可能性があります。

真のバリュー投資家への道は茨の道ですよ!投機家より100倍難しいです。

以下の感想に塩漬けマンの見解は
◆見解◆
◆◆◆◆
で書いています。

1.二次的思考をめぐらす
一時的思考・・・普通の思考・・・単純で底が浅く、誰にでも出来ること
二時的思考・・・普通でない思考・・・複雑で奥が深く、一部の人しか出来ない
(例)
一時的思考:業績のいい企業だから買おう
二時的思考:業績のいい企業だが、みんなに過大評価されておりコンセンサスに届かないから売ろう

二時的思考をする人はより多くのリターンを得る事が出来るが、「正確」でなければ意味がなく、世間一般の投資家や市場コンセンサスの誤りを見抜く卓越した能力が必要となるため、ほとんどの人は出来ない。

周りと違っていて、なおかつ、より優れている事が求められる。

2.市場の効率性(とその限界)を理解する

やはり効率的市場仮説は避けて通れないらしく、2章丸々使って考察しています。
■効率的市場仮説とは■
銘柄に関するあらゆる情報は投資家に同程度共有されるため、株価はそれらを織り込んでおり、常に効率的な価格(=適正価格)である
→結論として投資家は【市場には勝てない】
→実例として、市場平均をはっきりと上回るリターンを達成するファンドはほとんど存在しない
※1年、2年たまたま莫大なリターンを得る事はあっても、統計的優位性が証明される程長期間(64年必要の模様)莫大なリターンを上げ続ける事は出来ない
■■■■■■■■■■■

著者は効率的市場仮説を生み出したシカゴ大学で学んでいるため、遠慮してか、効率的市場仮説を真正面から否定してはいないが、勿論肯定してしまうと、1章で言っている事を自ら否定する事になるので、以下のように説明しています。

「二時的思考をする者は非効率的価格(=ミスプライシング)が起きている銘柄を見つける事が出来、他の投資家に対して優位性を持ち、多くのリターンを得る事が出来る」
「理論(効率的市場仮説)をあくまで決断の手がかりとすべきであり、理論そのものに支配されてはならない。また理論を完全に無視すれば、大きな過ちを犯しかねない。~中略~理論を鵜呑みにするだけでは~中略~チャンスを逃す事になる」

(例)効率的市場仮説の信奉者の教授と生徒が歩いていて
生徒「あそこに落ちているのは10ドル札では?」
教授「いや、そんなはずはない。もし10ドル札が落ちていたら、誰かが拾っているはずだ」
教授が立ち去った後、生徒は10ドル札を拾い、1杯のビールにありついた。

◆見解◆
適時開示アルゴとかやっているHFT業者は情報開示後、他の投資家に先駆けて速く注文を出す事で、情報が投資家に広まる前に動き、非効率的価格をゲットしていますよね・・・
また仕手筋とかは糞株を買い上げて、自ら非効率的価格を作り出し、それを狙って投資家が空売りしたのを燃料に踏み上げて、投資家を食い物にしてますよね・・・まぁ大抵そういう仕手株の空売りは数カ月耐えてたら株価もとに戻るので、リスク管理と含み損に耐える精神力さえあれば、大抵の場合空売りは利益で手じまい出来ますが。
◆◆◆◆

3.バリュー投資を行う

投資で確実に成功するには本質的価値を正確に推計する事が不可欠。
その上で「本質的価値を下回る価格で買い、上回る価格で売れ」


この章で著者はファンダメンタルズ投資以外を滅多切りにしています。
テクニカル分析・・・衰退している。ファンダ投資の補完でしかない。衰退した理由はランダムウォーク仮説により、過去の株価変動が将来の株価変動の予測に全く役立たないとされたから。
モメンタム投資・・・ランダムウォーク仮説と相容れない存在であり、評価し難い。モメンタム投資が知性に訴える投資アプローチでない事は明らかだ
デイトレード・・・上がるか下がるかを1日の中で何回も賭けているだけ。次に角を曲がって現れる人の性別を当てようとするのと変わらない。このような方法で儲けようとする人の事が全く理解できない。
(例)ある銘柄を10ドルで買って11ドルで売る。翌週には同じ銘柄を24ドルで買って25ドルで売る。翌週には同じ銘柄を39ドルで買って40ドルで売った時にデイトレーダは成功したと思うらしい。30ドル値上がりした銘柄を売買したのに3ドルしか利益を得ていないという事に気づかない人は、これ以上本書を読むべきではないだろう。
◆見解◆
塩漬けマンは、材料が出て急騰した銘柄をデイで10%利幅抜けて、その銘柄が行って来いで全戻しして、その後長期間ヨコヨコや、下落し続けたら、そんなゴミ銘柄でたった1日で10%も利幅を抜くなんて、凄い事だと思いますけどね。
後、上記の例で出ているデイトレードですが、10倍の資金投入してたら、利益は同じですよね。デイトレーダーは持ち越すリスクを取らない分、大金投入でしょ。
◆◆◆◆

知的分析を必要としない、その他の投資法の全てを議論の対象から外すと、二つの投資法が残る。
バリュー投資とグロース投資である。
共にファンダメンタルズを重視した手法である。

バリュー投資(割安株投資)・・・現在の本質的価値が割安である事を重視・・・成功率高い=ローリターン
グロース投資(成長株投資)・・・将来に本質的価値が急増する事を重視・・・成功率低い=ハイリターン
※将来の成長を予測する事は非常に難しいため、グロース投資は成功率が低くなる

従ってバリュー投資を勧めるが、バリュー投資も簡単ではない。
100ドルの価値の銘柄が80ドルになったので買ったからと言って、60ドルまで下がるかもしれない。
この時大事なのは、「市場が間違っており、自分が正しい」と信じ抜く信念である。
また自分を信じて、含み損に耐え、こまめにナンピンをしていた投資家は、株価が本来の価値に上昇した時、大きなリターンを得る事が出来る。
◆見解◆
お金持ちが長期でやる投資ならいいですが、貧乏人がお金持ちクラスになるために投資するのに、そんないつ上がるか分からない株を含み損に耐えて持ち続ける事は出来ないでしょ!この著者は時間的リスクを全く考慮していない。
投資=金銭的リスクを低くし、時間的リスクを高くしている(安全だけど時間がかかる)
投機=金銭的リスクを高くし、時間的リスクを低くしている(危険だけど時間が早い)
という認識でいます。
貧乏人が金持ちになるには、時間的リスクを低くしつつ、いかに安全に、大きく儲けるか!これを追求していかないといけないと思います。
それに貧乏人でなくても、金と時間どちらが大事かと問われたら、お金で買えない時間の方が大事でしょ・・・それに失敗するにしても、長時間かけて失敗したら本当に時間の無駄ですが、さっさと失敗すれば、次にチャレンジする時間が沢山あるじゃないですか。
後、市場は不合理な事(バブルや、民主党時代の異常な株安等)が起きるものであり、また人間の能力には限界があり、他の市場参加者よりも常に優れた思考・判断・情報を個人投資家が得るのは実質的に不可能である以上、塩漬けマンは「常に市場が正しくて、自分が間違っている」と考えるべきだと思っています。
◆◆◆◆

最後に、一つ忘れてはいけないのは、自分の見解が正しくなければいけないという事である。
◆見解◆
だから、それが一番難しくて、それが出来る個人投資家はほとんどいないでしょ!それが出来る努力や勉強してる間に10年ぐらい経って、お金増えないじゃないですか。
ベストは投機をしてお金を短期間で増やしつつ、投資の勉強をして、ファンダメンタルズ分析を身に付け、増えたお金の運用を投機から投資に移行していく事ではないでしょうか。
この本の弱点は、正しい見解を持てる偉大な投資家が著者なので、ときどき失敗しない前提で書かれてるのですよね・・・また、失敗をしないための思考法を教えてくれていますが、失敗しない能力(思考法、ファンダメンタルズ分析)を身に付ける事が出来るのはごく一部のエリートだけですから・・・そしてそのエリ―トですら時間掛かるって話ですよ・・・
そんな能力も時間もないので、塩漬けマンは失敗する前提で、沢山失敗する中であっても、お金を増やしていく、そんな投機法を目指します!
◆◆◆◆

4.価格と価値の関係性に目を向ける

正しく企業の本質的価値を計測できるようになれば、次に適正な株価はいくらであるか考えなければいけない。
素晴らしい本質的価値を持つ企業を見つけても、高すぎる株価で買えば悪い投資となる。
逆にたいした本質的価値を持たない企業であっても、十分安い株価で買えば良い投資となる。

では株価はどのように決まっているのか。
勿論ファンダメンタルズに基づく株価なのだが、残念ながら株価は二つの要因によって決定されている事が多い
・テクニカル要因・・・ファンダメンタルズとは無関係な需給による要因
※追証の投げ売りや、PFマネジャーが価格無視で買わないければいけない状況等
・心理要因・・・株式は人気投票であり、多くの人はファンダメンタルズを無視して買いたい株を買う
※投資で最も重要な学問は会計学でも経済学でもなく心理学である


率直に言うと、最良の投資方法とは、暴落時にどんな株価でも売らなければいけない人(追証売り等)から買うことである。
※ただし、このやり方では投資家としてのキャリアを築く事は出来ない。そういう状況はめったに起きないからだ
※投げ売りを買うのは最良だが、決して投げ売りする側になってはいけない

根気強いバリュー投資の対局にあるのは、やみくもにバブルに乗じるやり方である。
バブルにおいては本来あるべき株価と本質的価値の関係性が完全に無視される。
そのような株価とは高リスクな状態であるが、バブル時には人々はなぜか「低リスクであると」と勘違いし、リスクプレミアムを求めずにリスクに見合わない株価で安易に買い、ハイリスクな状態に自ら飛び込んでしまう。
このように、本質的価値とは無関係に利益をもたらすものをあてにすること(バブルに頼ること)は、おそらく最も信頼性が低いやり方だろう。

◆見解◆
いや、バブル起きたら、めざとく初動でロングして、バブルと理解しつつも目いっぱい踊って、天井で一転ショートして、往復で取った方が賢くないですかね・・・
◆◆◆◆

投資収益が得られる可能性のある方法
・資産の本質的価値の増大で利益を得る=グロース投資
→本質的価値の増大を正確に予測するのが難しいし、織り込み済みかもしれない
・レバレッジを利かせる
→高いリターンを生み出すが、同時に高いリスクを背負う事になる
・保有する資産を本質的価値を上回る価格で売る
→そのようなカモの到来を期待するのは運任せである
・資産を本質的価値を下回る価格で買う=バリュー投資
→これこそが金儲けをする上で最も信頼性の高い方法である。運は必要なく、市場が正常に機能していれば、必然的に株価は本質的価値まで上がる
※ただし、価格が本質的価値に収斂するまでに想定よりも長い時間がかかるかもしれない

◆見解◆
著者も認めているように、市場は不合理で、割安株が適正株価になるまで恐ろしい時間が掛かる可能性があるので、時間的リスクを嫌う塩漬けマンはバリュー投資に魅力を感じないのです。
※買ったら直ぐに人気化して上がる、もしくはジリ高を続けてくれる割安株を買えた場合はバリュー投資は大好きだお♪
◆◆◆◆

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こんな感じで20章まで、投資で勝つための思考法が書いてあります。
尚次章からはこんな感じ

5.リスクを理解する
6.リスクを認識する
7.リスクをコントロールする
8.サイクルに注意を向ける
9.振り子を意識する
10.心理的要因の悪影響をかわす
11.逆張りをする
12.掘り出し物を見つける
13.我慢強くチャンスを待つ
14.無知を知る
15.今どこにいるのかを感じ取る
16.運の影響力を認識する
17.ディフェンシブに投資する
18.落とし穴を避ける
19.付加価値を生み出す
20.すべての極意をまとめて実践する


【リスク】は大事なので3章分もついやしています。
その中にいい事が書いてありました。
「理論では高リターンは高リスクに付随することになっている。だが実利主義のバリュー投資家は、まったく逆の考え方をする。本質的価値を大幅に下回る価格で資産を買えば、高リターンと低リスクは両立しうるというのだ」
上記までで、散々時間が大事だと塩漬けマンは見解で言ってきましたが、「高リターン低リスク」なら話は違ってきます。
時間を犠牲にする価値はあるかなと。

また「リスクのあまのじゃく現象」として以下のように指摘しています。
「誰もが高リスクと考えている資産の価格はたいてい、不人気のせいで全く危険でない水準まで低下する。誰もがリスクがないと信じている資産の価格はだいたい、極めて危険な水準まで釣り上げられる」
著者は、人々がリスクが高いと思い込んでいる商品をファンダメンタルズ分析で適正価格を見抜いて、実際の価値より大幅に安く買う事で低リスク高リターン投資を実現してきたようです。
つまりこの本では「逆張り」が推奨されています。

また、気を付けなければいけないのは、本書はバリュー株の長期投資を勧めており、買った株が下がっても耐えろ派(何だったらナンピンしろ)であるという事です。
相場のサイクルや振子は意識しないといけないと説いていますが、割安株を買うタイミングはあまり重視していないです。
理由はランダムウォーク仮説により、株価が上がるか下がるか予測する事は不可能(割安株が適正株価に収束するために上がるのは除く)なので、大底を見極めるという考え方がナンセンスだからだと思います。
長期的には必ず株価は本質的価値に収束するので、短期的な値動きに惑わされるなという事です。
ただ、心理的要因・テクニカル的要因等により、割安株でも短期的には大暴落するかもしれないので、そうなった時に退場しないようにリスク管理(適切なレバレッジ)は必須です。
勿論、割安株を正しく見抜く能力(=本質的価値を見抜く能力)を持っている事が大前提となっています。
しかし、現実問題として、その能力を持っている人はほとんどいません。
そして、塩漬けマンはタイミング重視派で、例え割安株でも大底まで買うな派です。
そして買っても、下がったらさっさと損切して、また買い戻せと・・・ナンピンは論外。

ここで大事なのは、著者と自分の立場の違いを考慮しないといけないという事です。
著者は800億ドルを運用するファンドマネージャーであり、「大暴落来そうだからノーポジにしよう」なんて、市場に自分の売りを吸収出来る買いが出ていない可能性が高く、即座には絶対に出来ません。
勿論資金を株のロングに割り当ててる割合はそれほど大きくないかもしれませんが、800億ドルは巨大です。
また、買ったばかりの株をすぐ売るような支離滅裂な行動をしていたら厳しい顧客から「はぁ?だったら最初から買うなよ。このファンド大丈夫か?」と信用を失います。
それに買うと決めた株は、沢山のスタッフが苦労して調査し、会議での吟味を経て、組織として意思決定された銘柄です。
安易に売ったらスタッフからの信頼も失います。
そして、他人の金を預かってビジネスで投資をしている以上、常に投資し続けなければいけません。
著者の立場では、一度買うと決めてポジションを増やしている株を売る事は出来ない環境であるため、必然的に「買ったら売らない」という思考が強くなります。
その厳しい環境でも利益を出し続けている素晴らしいファンドであると思います。
しかし、このファンドは「リーマンショックで最も儲けたファンド」と言われており、あの状況下で利益を出し続けるには、本著では一切触れられていませんでしたが、空売りを大量にしていたのではないかと思われます。

上に行くか下に行くか分からないけど、反対に行ったらヤバい時、あるいは予期せぬ出来事が起きた時、即座にポジション解消してノーポジが許されるのは、このようなファンドには出来ない、弱小個人投資家にのみ許された最大のメリットであり最強の武器です。
※勿論下がる公算が高ければ、即座に空売り転換。上がる可能性が高ければ即座に買い転換と、さらにフットワークの軽い行動も取れます。
資金的にも能力的にも到底及ばないのに、弱小個人投資家にのみ許されたメリットを、自ら放棄する必要はないと思います。
一度売っても、欲しければまた買えばいいのですから。



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